遺産を相続する際に、できる限り税金の負担を減らしたいと考える方が多いでしょう。
この際に利用できるのが「取得費加算の特例」です。
今回は、相続税を支払った場合に利用できる取得費加算の特例について、概要や適用できないケース、併用可能な税制を解説します。
これから相続の予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
相続税を支払った際に利用できる取得費加算の特例とは
取得費加算の特例とは、被相続人の死亡から3年10か月以内に相続した土地や建物などを売却したときに、所得税の負担を軽減できる特例です。
相続時に支払った相続税の一部(売却したものに対応する部分の相続税)を取得費へ加算できます。
たとえば、5億円の財産を相続して1億円の相続税を支払ったケースで、5億円のうち2億5,000万円を売却したとしましょう。
この場合、支払った相続税1億円のうち、その半分にあたる5,000万円の相続税を取得費に加算できます。
取得費の金額が増えると譲渡所得税が減るため、節税につながるという仕組みです。
適用要件としては、相続もしくは遺贈によって財産を取得している、相続税が課税されている、期限内に財産を譲渡しているといった条件が定められています。
利用した場合の所得税の計算手順は、まず取得費として加算できる金額を算出して、譲渡所得を計算します。
取得費として加算できる金額を算出する際の計算式:相続税額×不動産の課税価格/相続した全体の課税価格+債務控除
譲渡所得の計算式:譲渡価格-(取得費+譲渡費用)
その後、譲渡所得に税率(短期なら39.63%、長期なら20.315%)をかければ、課される取得費の金額が計算可能です。
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相続税を支払った際に取得費加算の特例が利用できないケース
取得費加算の特例とは、あくまでも相続や遺贈によって財産を取得した場合に利用できるものなので、原則として贈与財産には適用されません。
ただ、相続時精算課税制度や3年以内加算制度を利用して贈与を受けた場合には、例外的に取得費加算の特例が適用可能です。
また、夫婦間の相続では、取得費加算の特例が適用できないケースが多いので注意しましょう。
適用対象となるのは相続税を支払った方なので、配偶者の税額軽減の特例を利用して相続税が課されなかった場合には対象になりません。
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相続税を支払った際に取得費加算の特例と併用できる税制
取得費加算の特例と併用できるのは、3,000万円特別控除です。
マイホームを売却した場合に、譲渡所得から最大で3,000万円まで控除できます。
また、買換え特例も併用が可能な税制で、より高い住宅へ住み替える際、譲渡所得税の支払いが先送りできます。
ほかに、小規模宅地等の特例も併用可能です。
相続などで取得した小規模宅地を売却した場合、一定面積までの相続税の課税金額を軽減できます。
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まとめ
以上、取得費加算の特例について解説しました。
取得費加算の特例とは、相続財産売却時に取得費へ一定金額を加算できる特例で、併用が可能な税制もいくつかあります。
ただし、贈与を受けた場合や夫婦間での相続の場合には、適用できないケースもあるので注意してください。
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